2009 年 8 巻 3 号 p. 158-161
日本の村落では生活の中に起きる様々な災害に対して、独自に対応を行い、地域社会を維持してきた。中でも地域の消防団は火事や洪水などの自然災害から村を守る活動に加えて、日常生活の維持や祭りの警護や青少年教育など様々な役割を果たしてきた。本報告では,地域の祭り期間中の消防団の活動を参与観察することで、祭りにおける消防団の活動は、防災・災害対応に必要であると考えられる要素を多く含んでいることを明らかにした。また,祭りの役割や観光客の増加などの社会変化を消防団の活動の中にも受け入れることで、消防団の活動が多様化し、それが異なる状況における対応可能の向上および地域維持管理力の形成につながっていることが分かった。